クリニック研修レポート【薬剤師 男性 26歳】 2011/09
この度は、日頃、目にすることのできない医療現場においての診察・診断・検査・処置・管理業務を研修させていただきました。
学生時代に病院実習を経験しなかった私にとって、今回の研修で拝見させて頂いた全てが新鮮でとても興味深い経験でした。
私が特に興味を持ったのは、診察から診断に至るまでです。
医院は、患者様が急な体調変化を感じて受診することの多い第一次医療機関です。そのため、先生が患者様の症状から病名を診断するまでの診察をとても慎重に繊細にされていたことが印象的でした。
日頃の薬局業務では、処方薬から病名・症状を読み取って調剤しているため、病名・症状を意識するばかりで、診察方法まで深く意識していませんでした。そのため、先生の診察を拝見させて頂いて、私自身の病識がどんなに薄く、勉強不足だったのかを痛感するばかりでした。
今回、診察を拝見させて頂いた中で特に印象深く残っているのは、メニエール氏病の患者様達についてです。
薬局では、メニエール氏病の患者様がいらっしゃっても、すでに治療後で症状が和らいでいることがほとんどです。
そのため、メニエール氏病は患者数の多い割に比較的軽い病であるかと私は思い込んでいました。
しかし、病院では、深刻な眩暈・体の倦怠感・耳鳴り・吐き気等の症状を抱えながら、自身が何の病気にかかったのか不安な状態で患者様がいらっしゃいます。
薬局と病院とでは、患者様の症状・心持ちにこんなにまで大きな差があるとは思っていなかったため非常に驚きました。
また、メニエール氏病の諸症状を処置せずに放って置いたり、慢性化したりすると、最悪の場合、神経腫瘍ができる可能性があることも知りませんでした。いつでも患者様にとって軽い病気などないことを体感すると共に、見過ごしている病気ほど再認識が必要であることを実感ました。
また、どんなに医院内が患者様で混雑するような時間帯であっても、先生は冷静沈着に目の前の患者様と向き合って、その患者様に合った問診・視診・聴診・触診を行っていました。
初めは、当たり前な光景と感じて気付きませんでしたが、一見、当たり前に思えることが決して当たり前なことではないと、診察を繰り返し拝見させて頂いている内に気付かされました。
常に患者様に真摯な姿勢でいることがどれほど難しいことであるかは、普段の薬局業務中においても切に思います。
先生の診察を通して、なぜ診察を終えた全ての患者様が診断に納得し安心してほっとした笑顔で帰れるのかを理解できました。
そして、医療人が患者様に対してあるべき姿勢について学ぶことができました。
薬局薬剤師でも患者様のためにできることはまだまだあり、見落としていることも多くあり、其の事に気付く為には患者様に対して真摯な姿勢を保ち続けることが必要であると感じました。
私も常に患者様に真摯な姿勢を貫き通せる人物になれるように励んでいきたいと思います。
最後になりましたが、お忙しい中、先生及び医院の皆様にこの度の研修を温かく受けいれて頂いた事を大変感謝しております。
また、このような素晴らしい研修に参加させて頂けたのは、ひとえに社長並びに諸先輩方の御陰があってのことと感謝しております。
今回の研修で学んだことを忘れずに、より多くの患者様に貢献していける人物になっていきたいと存じます。