クリニック研修レポート【薬剤師 男性 24歳】 2013/11
11/11~11/16の一週間、先生のもとで研修を受けるに伴い、医師の診察を見学させていただくという、普段の薬剤師業務を行っているだけでは経験できない貴重な体験をさせていただきました。
研修をしていると、症状を訴える方、検査を受けにくる方、検査結果を聞きにくる方、継続の薬をもらいに来る方、リハビリ・点滴・予防接種のために来る方、様々な人が先生の元を訪れていました。
この一週間の研修で私が注目したのは、診察から疾患の診断に至るまでの流れです。普段、薬剤師業務を遂行していく際、処方せんに記載の医薬品から患者の疾患・症状を推測しますが、その処方せんは、医師が、症状の聞き取りや場合によっては触診・聴診・検査等を介して疾患を診断、そして投与する医薬品を決めて作成されるものだからです。
受け入れて頂いた時期の関係で今回の研修期間中には、症状を訴える方の中でも風邪の症状を訴える方や、インフルエンザの予防接種を受けに来る方が多かったように思います。実際にインフルエンザに罹患した患者に遭遇することはありませんでしたが、インフルエンザ検査キットを使用する場面に立ち会うこともありました。
風邪とインフルエンザの症状は似通っているため、最終的にインフルエンザの型も含めて診断するためには検査キットを使用しますが、多くの風邪患者がいた中で実際に検査キットを使用したのは、この研修期間中に2度だけでした。ここまで使用回数が少なかったのは、まだ流行していなかったせいもあるかとは思いますが、キットを使用せずともある程度、先生が診察によってどちらか判別していたことにもよります。インフルエンザと風邪の症状の違いとして、インフルエンザでは風邪症状に加えて関節痛・筋肉痛が代表的な症状として挙げられますが、他にも突然の高熱や、全身症状からもっとぐったりしてしまうことが風邪との違いとしてあります。他にも先生の経験から判断されているところもあるかと思いますが、問診などでこれらの情報を収集して、ただの風邪かそうでないかを判別していました。検査キットを使用することで、ほぼインフルエンザであるかないか判定することができますが、患者に痛みが伴い多少時間もかかるため、診察で判別することで患者の負担の軽減につながります。
インフルエンザに限らず、診察で胃潰瘍や、十二指腸潰瘍、腎炎などを疑うに至るまでや、そこから胃カメラや、血液検査などで検査して実際の疾患を特定するまでの一連の流れも見学させていただくことで、先生の知識の豊富さを知ると共に自分の疾患・病態の知識の浅さを思い知らされました。
薬局薬剤師は医師のように患者の疾患の診断をすることはできませんが、今日のセルフメディケーションにおけるOTC薬の販売に関わっていることもあり、OTC薬・疾患・病態それぞれの知識を必要とします。OTC薬を販売する際、場合によっては患者が症状を訴えるところから始まることもあるため、症状を聞いて、そこから必要な薬を選択できる、あるいはOTC薬を販売せずに医師への受診を勧められるようもっと疾患・病態の知識を深めていく必要があると、研修を受けて感じました。
研修を通して、その日その日でわからないことなどが多々あったため、自分であとから調べてみることも多くありました。そのたびに自分の持つ知識がどれだけ浅いのかを痛感しましたが、それだけ学ぶことの多い研修だったのだと実感しています。
最後になりましたが、今回研修を受け入れてくださった先生や医院のスタッフの皆様には大変感謝しております。
この研修で感じたことを実際の薬剤師業務につなげるためにも、勤勉の姿勢を崩さず日々努力していこうと思います。ありがとうございました。