店舗交換研修レポート
目的
普段、勤務する地域の店舗以外での業務を通し、地域や科目、店舗の違いを体験することで日々の業務水準の向上を薬剤師として図るもの。
研修内容
一人一週間~二週間、普段勤務している地域以外の店舗で業務を行う。
研修レポート(抜粋)
【薬剤師 男性 32歳】 【2015年8月~9月】
北海道旭川市にあるオーベル薬局永山店にて研修を行ってきました。
研修のメインはクリニックの院長による漢方勉強会になります。
人の治癒を考える漢方はどんな分野にも応用が利きます。その為非常に多くの知識が必要とされるのですが、先生が分かりやすく噛み砕いて教えて下さるので、漢方医学の整体感・流体・層構造等の基本となる考え方、漢方薬を処方する際の処方意図、五臓の考え方など多くの事柄を吸収できました。
そのような知識を得てからの業務はとても新鮮でした。頭だけでの知識だったものが、実際の患者様に触れることで、さらに強い印象となり、自分のものとして定着していきました。座学だけでは得る事の難しい、生きている知識・実践的な知識を今回の研修を通して得ることができたと思います。
また諸先輩方の知識量も目の当たりにし、己の未熟さも再認識しました。現状に甘んじることなく、日々勉強していかなければいけないと強く感じました。
今回の研修を生かし、より患者様が満足できる投薬をしていくよう努力していきたいと思います。具体的には、当たり障りのない会話だけではなく、患者様の生活に一歩踏み込んだ指導をしていきたいと思います。その為には、病気・薬の知識はもちろんのこと、日頃からの患者様との良好な関係を築いていないといけません。
患者様から認められ、頼りにされる薬剤師、薬局を目指していきます。
池田院長からは漢方医学の知識だけで無く、人生について、他者とのつながり方、幸せのあり方等、本当に多くのお話を聞く事ができました。薬剤師として、何より一人の人間としての生き方も考えさせられ、大変貴重な経験になりました。
このような機会を設けてくださった院長、クリニックの皆様本当にありがとうございました。また様々なフォローをしていただいたオーベルのスタッフの皆様にも感謝します。
【薬剤師 男性 35歳】 【2015年8月~9月】
今回は内科・眼科の処方をメインにしている矢野口店に2週間ちょっとお世話になりました。
7年前にも数日間勤務した事がありましたが、その時と大きくメンバーが入れ替わっておりより一層若返っていました。
私か伺った時期は連休明けで比較的患者数が多く1日を通してハードな日々が続きました。その中で、店長補佐不在・入社したての女性社員と戦力的に不安がありましたが、一人一人が責任を持ち業務に取り組んでいる姿を目の当たりにして、その不安は初日に払拭されました。
矢野口店で一番印象に残っている事は、従業員間のコミュニケーションが良好という事です。業務を受け渡す際、必ず「おねがいします」「ありがとうございます」「ごめんなさい」等の言葉が行き交います。
ものすごく心地良い感覚でした。見習うべき姿です。
私が勤務している永山店は長い間、メンバーが変わらないのでその辺がなあなあになっていると自覚しました。
期間中に投薬した方で印象に残っている方を紹介させて下さい。
血液検査の結果を2ヶ月分持参し見て欲しいと言われました。
拝見すると1ヶ月でLDL値が2倍以上になっていました。
原因を突き止めようと色々伺いますがはっきりと答えてくれません。
手元にお薬手帳があったので、他科受診や併用薬を確認したところ市立病院からフィブラート系のお薬が処方されていました。このお薬をしっかり服用出来ているかどうか伺うとDrには言っていないが自己判断で中止したとの事でした。
1ヶ月前まではLDL値が基準範囲内におさまっていた事・その他に沢山お薬を服用しているので少しでもお薬を減らしたかった事が中止した理由だそうです。確かに知識の差もありますが、私たち医療従事者と患者さんの認識(思い)は必ずしも一致しないと思い知らされました。
慢性薬も急性薬と同じで良くなれば(基準値に達すれば)中止して良いと勘違いされている方が少なくともいる事を念頭に置き、すべてを判断するのはDrである事を伝えなければなりません。
また私たち薬剤師の仕事の第一はお薬を安全に服用して頂く事です。服薬指導の中でお薬を服用できない・できていない理由や不安を聞き出し、少しでもそれを取り除く必要があると改めて思いました。
先にも記載しましたが、私たちはお薬を安全に服用して頂く事が仕事です。
Drの処方意図や患者さんの背景も分からずお薬の薬効や用法だけを説明していては不十分過ぎると改めて思いました。病気の背景や患者さんの生活環境をよく聞いた上で個々の服薬指導が大切だと実感しました。
ここで僭越ながら矢野口店の薬剤師さんに服薬指導のヒントを書かせて頂きます。
現場で感じた事は、血圧の数値は良く伺っており薬歴にもしっかり記載されていました。
患者さんのお薬手帳にも数値が記載されておりとても感心しました。ただ、血圧の数値を聞く事で満足していないでしょうか?私たち薬剤師は評論家ではありません。高ければ高いですね~、低ければ良い値ですね~で終わらせてはいけないと思います。
血圧は生活習慣・環境で変動するものです。例えば拡張期血圧が高ければ塩分の摂り過ぎはないでしょうか?収縮期血圧が高ければ何か悩み事・心配事はないでしょうか?眠れていますか?と生活に踏み込んだ問いかけをしてあげると何かしら見えてくる物があると思います。
また、患者さんの多くは血液検査の結果を持って来局されていました。
しかし、結果に対しての詳しい説明がないようです。薬の効果・副作用を確かめられるチャンスではないでしょか?患者さんもそれを求めていると思います。是非、検査結果を見せて貰って下さい。
また出てきましたが、薬剤師はお薬を安全に服用して頂く為に副作用のチェックも大切です。まず簡単なところで、Ca拮抗薬やARBなどの肝代謝型薬物・ACE阻害薬などの腎排泄型薬物が悪さをしていないか肝機能・腎機能をそれぞれ確認する事から始めてみて下さい。
あと、併用薬に関してレセコンに記録(最新のもの)しておくべきだと思います。その都度お薬手帳を確認しているので大丈夫と言っていましたが、忘れた時はどうするのでしょうか?患者さんは正確にお薬の名前を覚えていない場合が多いです。
オーベル薬局に来ればすべて分かって貰えていると言って頂けるように「かかりつけ薬局」を目指して欲しいです。そうすれば、別の薬局で貰っていたお薬もオーベル薬局でお願いしますと言われるかも知れませんよ!
長々と勝手な事を書かせて頂きましたが、私もまだまだ勉強中なので一緒に頑張っていきましょう。そして逆に色々と教えて下さい。
最後になりましたが、2週間ちょっと大変お世話になりました。
年上で扱い難かったと思いますが、嫌な顔ひとつせず受け入れて頂きありがとうございました。
【薬剤師 男性 28歳】 【2008年9月~10月】
今回は研修として、9月29日~10月11日の約2週間、東京の3店舗で色々と経験させて頂きました。私が居る永山店はオーベルの中では地方の店舗です。今まで他店舗の従業員とは、電話ぐらいでしか話した事がありませんでした。顔を見た事がないのです。そう言った意味では、今回の研修は親睦を深める為にもとても良い機会でした。
私が経験させて頂いた3店舗は、つつじヶ丘店・矢野口店・大丸店です。どこの店舗もそれぞれ特徴の異なる面白い店舗でした。
つつじヶ丘店は、オーベル第1号店です。近隣には内科・小児科・アレエルギー科と多くの医療施設があり、来店する患者様はお年寄りから小さなお子さんまで幅広いです。ですので、取り扱う医薬品数も多く、幅広い知識が必要になってきます。私は2日間しか居られませんでしたが、もっと勉強をしたい店舗でありました。
また、つつじヶ丘店のすぐ近くに本部事務所を構えています。日頃私たちをサポートして下さっている本部の方は、とても笑顔が素敵でとても優しい方ばかりでした。初めて会社の舵取りを行っている場所に触れられた事は、よりいっそう会社に興味を持つ良い経験でした。
矢野口店は、従業員がとても若い店舗です。店長候補が3人いて、日々切磋琢磨しています。
主に内科・眼科の処方箋を扱っており、多くの患者様が、その両方からの処方箋を持って来ます。お年寄りの方の中には、緑内障・白内障の方がこんなにも多くいる事を改めて実感させられました。私が居る永山店は患者様の多くはお年寄りの方です。緑内障には禁忌のお薬も沢山あるので、もっとこの事を念頭に、処方監査・服薬指導を行うべきと気付かされました。
大丸店は小児科の処方箋をメインに扱っている店舗です。小児科の処方箋を扱うのは初めてでしたので、何もかもが新しい経験でした。調剤業務では、シロップ・粉・軟膏作りが1日中続くのです。私がお邪魔した時は、時期的な事もあり、1日200人近くの方が来局していましいた。
これをこなすには相当の集中力を必要としました。
また、服薬指導の際も、「どの様なお薬か」よりも「どの様に飲ませるか」の方が大切なのです。
主に粉薬と飲み合わせが良い飲み物・食べ物の知識がなかった私にとっては小児科領域の力不足を感じました。
2週間の研修を通して、いつもとは違う環境・違う立場に立てた事で、普段の自分を見詰め直す事ができました。自分なりに課題も多く見つける事ができました。
研修の機会を与えて下さったオーベルに感謝致します。
もっともっと薬剤師として、そして人として上級を目指して頑張ろうと思います。
【薬剤師 女性 27歳】 【2008年9月~10月】
北海道の旭川市にある永山店に、一週間の研修へ行って来ました。
永山店は大きな国道沿いにあり、周りには医院や薬局がたくさんあります。一日の処方箋枚数は大体40~60枚、在庫数は約700種類、そのうち100種類はツムラやクラシエなどの漢方薬です。
処方箋は主にお隣の池田クリニックから来ます。お隣の池田先生は看板にも「漢方相談」と掲げていて、主に漢方薬を処方されます。今回の研修では、処方解析にとても苦労しました。漢方薬の適応は一種類にいくつかあるし、しかもそのつながりが理解しにくいので、ただでさえとても苦手でした。
ここでもやはり適応と患者さんの訴える症状が違うことが多く、最初の二日間は下手なことを言えないなという気持ちでさぐりさぐり投薬をしていました。
出勤三日目で、先生やスタッフの皆さんと食事の機会がり、先生に直接お話を聞くことが出来ました。
西洋医学は対症療法のような薬の使い方をしますが、東洋医学では体のめぐりが基本になっていて、気を体にめぐらせるために、悪い気を表へ出しやすくする薬と、良い気を内の方へ運びやすくする薬を組み合わせて使うことが多いそうです。人によってはそのめぐりをマイルドにしたり、または強くしたりするためにさらに漢方薬を組み合わせたりしているようでした。
先生と永山店のスタッフの方たちは、勉強会やこのような食事の席などで、コミュニケーションがよく取れているようです。特に店長さんは先生の処方意図をよく分かっていて、助かりました。
これはどこの店でも同じことですが、先生の話と違うことを薬局で話してしまうと患者さんを惑わすことになってしまいます。特に池田先生は、漢方薬を処方する前に薬について丁寧に説明しているそうなので、とても気を遣いました。
先生の話を聞いてから、ある患者さんに投薬しましたが、そのときも表に向かうものと、内に向かうものの二種類の漢方薬が処方されていて、「めぐりをよくする」という言葉で説明したら、患者さんがなるほどという表情になったのが印象的でした。
東洋医学というのはとても理解しにくいイメージがありましたが、今回の研修を終えてその印象が変わりました。
多くの人が患っている生活習慣病、肥満、不眠など、体のバランスと気のめぐりが悪いとそのような病気もしやすくなるし、元気も出ません。元気がないと回復も遅くなる、そう考えると根本的な治療をする東洋医学は予防医学にも関わっており、今の医療には必要不可欠だと感じます。
先生も先生の奥さんも太陽みたいにとても元気で明るい方で、一緒にいるとこちらまで元気が出ます。私もそんな人になれたらと思いました。仕事と私生活、共に勉強になり、有意義な一週間でした。